白い紙に黒い文字。当たり前すぎて忘れられがちですが、これが大切な基本です。文字や背景に色を使うのは、「付け足し」で、あくまでも演出なのだと心得てください。白い紙に黒い文字だけでデザインされたものは、シンプルで美しい。これはプロの共通認識です。ただし、ただ文字をおいただけでは駄目で、文字の大きさ、読みやすさ、余白とのバランス、適切な字間調節など、より良いバランスになるよう、吟味を重ねることを忘れないでください。
それは時折「ただ文字を並べただけで、何もデザインしていない」と言われます。一般的に、文字にデザイン的な手を加えることや、見た目にすぐわかる工夫がデザインなのだと思われがちですが、そうではありません。
料理でいうなら、新鮮な生野菜や、釣ったばかりのお魚の刺身のようなものです。新鮮なお魚なら、塩、醤油、化学調味料で濃い味付けをしてしまうのではなく、素材の味を生かして、シンプルな調理でいただくのが、一番ですよね。
誌面に色をたくさん使って、工夫を凝らすのは、手間暇をかけてこそ料理と思いこんで、調味料をたくさん使うのと同じです。加減を間違うと、おかしなことになってしまいます。
たとえば今からつくろうとするものが、子供向けの賑やかな雑誌であったとしても、白黒コピーを取った時に、バランスよく整って見えること。それが良いデザインの根幹といえます。