実はプロのデザイナーでも単位をポイントにしている人は少なくありませんが、ポイントにするメリットはほとんど無いはずです。また、市販の入門書などでも、このことにはほとんど触れられていません。
なぜ、文字の単位にポイントと級があるのか。Adobeはアメリカの会社だから、アプリ内での文字の大きさ単位がポイントになるのは自然です。一方で級は日本における組版で長く使われてきた単位です。級は歯ともいいますが、これは文字の大きさや位置を変えるための機械の歯車のひとつ分の歯が0.25mm刻みであったからです。
先に述べた合理的な組版を行うために絶対大事なことですが、それは特に書籍などの出版やパンフレットなどの冊子制作=エディトリアル・デザインにおいて特に必要といえます。情報量の多い印刷物をきれいにレイアウトすること、冊子全体を同じ台紙=フォーマットで作成し、一定の組版ルールに則って作成するときに、とても大切だからです。
逆にいうと、ポスターやフライヤーなど、単一紙面でのデザインにおいては、単位がポイントであっても不都合はほとんどありません。このため、デザイン業界内でも、広告業界のデザイナーはポイントを単位とし、出版業界のデザイナーは級を単位にすることが多いのが実際です。これからプロを目指す人で、広告業界ならあまり気にする必要はありません。
また、細かいことが苦手だったり、気にしない大雑把・おおらかな個人事業のデザイナーは、出版業界でもポイントを単位にしていたりします。